自転車ロードレースでプロより速いアマチュア選手がいる理由

 

公務員ランナーの川内選手が、プロを抑えて世界選手権に出場したのは印象的でした。

 

野球やサッカーなどの団体競技ではあまり聞きませんが、個人競技ではプロよりも早いアマチュアが存在します。自転車競技もそうです、しかも結構な割合で

 

今回は「なぜプロより速いアマチュア選手が存在するのか」を考えてみました。

 

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・日本のロードレースは距離が短い

 

日本と比べて、ヨーロッパは自転車が盛んだからかレースの数も多く長距離レースもたくさんあります。対して、日本のロードレースは距離が短いです。

 

もちろんジャパンカップや全日本ロードレース、ツールド沖縄など200km近いレースもありますが、毎週どこかでやっているという程の頻度で開催されている訳ではありません。

 

そして、上記レースの出場条件として指定されるレースが、チャレンジサイクルロードレースや県ロード、地域別自転車大会、西・東日本ロードクラシックなど、これまた2時間くらいで終了するレースです。

 

結局のところプロアマ問わず出場するレースとして圧倒的に多いのが、距離の短いロードレースやクリテリウムレース、またはヒルクライムレースなのです。

 

国体ロードですら成人の部でおよそ120kmほど、全国レベルにしては距離が短いです。

 

競技時間が短いという事実が、プロの練習時間の豊富さというアドバンテージを消して、逆にアマチュアの「インターバルトレーニングでゴリ押し作戦」を可能にしているのだとボクは考えています。

 

・短時間の高強度トレーニングでも持久力は上がる

 

先ほど日本のロードレースは競技時間が短いと説明しました。実際にレースで走る距離として一番多いのは100km前後、時間にして2時間半くらいです。

 

これは一般的なホビーレーサーが平日に1回の練習で走る距離とそんなに変わりません。しかもパワーメーターによりレースの平均パワーが分かるため、レースと同じ強度を再現したトレーニングが出来ます。

 

つまり、時間の融通が利きにくい社会人レーサーでもレース強度の練習ができるという事です。

 

さらに近年インターバルトレーニングでも持久力が鍛えられるという研究結果が報告されています。

 

【参考記事】TABATAの考案者による解説書「タバタ式トレーニング」

 

LSDトレーニングでしか持久力が鍛えられない言われていた以前は、時間があるプロが有利なイメージがありましたが、高強度で短時間の練習でも持久力が上がると判明した以上、プロ選手の「時間に余裕がある」というアドバンテージが薄れているのは確かです。

 

・アマチュアは自分に合った年間プランを立てられる

 

プロ選手は勝ちたいレースを設定して年間のトレーニング計画を立てますが、それはアマチュアも変わりません。しかし、アマチュアはプロよりも有利な点があります。「自分の出たいレースを選べて、それに全エネルギーを投入できる」ことです。

 

プロ選手はジャパンカップや全日本ロードレースなど、超有名なレースに照準を合わせて計画を立てます。しかしそのレースが選手の相性の良いレースとは限りません

 

スポンサーやチームの方針、エースやアシストの立場的に「自分の得意なレースに出場できない」ことは十分に考えられます。下手したら相性の悪いレースに向けた練習を一年間やらされる羽目になるかもしれません。というか仕事で走っている以上、そっちの方が多いでしょう。

 

一方、アマチュアは自分の出たいレースに全エネルギーを投入することが出来ます。自分の適性を把握して、それに合致する練習をしてレース計画を立てれば必然的に良い成績を収められるはずです。

 

【参考記事】スポーツ遺伝子を検査して自分の才能を分析してみた

 

もし出たいレースがヒルクライムやクリテリウム、TTという競技時間の短いレースだった場合は短時間・高強度トレーニングでも成果が出やすいため、時間が無い社会人でも勝てる可能性があります。

 

実際に乗鞍ヒルクライムや全日本TTをアマチュア選手が制した事実がそれを証明していますね。

 

また、全国レベルでなく「そこそこ有名」レベルな大会でも調整のためにプロが出場していますので、本調子でない部分を突けば、プロより上位の成績を収めることも可能だと思います。

 

・自転車競技は練習するとき縛りが少ない

 

ボクは自転車ほど練習場所や時間に縛られないスポーツはあまり無いのではないかと思います。

 

言うまでもなく野球やサッカーなどの団体スポーツはチームがいなければ成り立ちません。ただ考えてみると個人競技もけっこう制約が多いです。

 

スケートリンクやコート、川や海に行ったり練習相手を探したりで、なんだかんだ練習時間が短かったりします。

 

この場合は設備が充実していてすぐ練習できるプロ選手のアドバンテージが大きいでしょう。しかし自転車競技は練習場所や時間の縛りが少ないです

 

外に出ればすぐに練習ができます。ローラーを使えば室内でもトレーニングできます。

 

さらに自転車の室内トレーニングは練習効率が良く、上手くすれば実走よりも質の良いトレーニングができます。トライアスリートの Lionel Sanders も、バイクは実走をせずに室内トレーニングだけでアイアンマンや世界選手権で2位になったという話も聞きます。

 

【参考記事】Lionel Sanders’ incredible journey

 

まとめ

 

以上、ボクの「なぜ自転車業界にはプロよりも速いアマチュア選手が存在するのか」という見解です。

 

日本の自転車ロードレースは、プロアマ問わず競技時間の短いレースを走る傾向にあり、1回の練習時間が少ない社会人レーサーでも、質の良いトレーニングをしやすいからだと説明しました。

 

また、アマチュアは自分が勝ちたいレースに全力投球できるメリットがあり、レース内容によってはプロとも渡り合う事は可能だと考察しました。

 

 

とはいえ実際は簡単な事ではありません。自分の特徴を把握して、しっかりとトレーニング計画を立てないと実現できないでしょう。

 

ボクも来年の国体に向けて、見習わないといけないと感じた今日この頃でした。

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