自分の意見が無い、流されやすい性格って悪いこと?

思ったこと

 

外国人から見て日本人は以下のように見られる傾向にあります。

 

日本人は自分の意見を持っていない。

 

「ノー」と言えない。

 

周りの人の意見に無理にでも合わせようとする。

 

言い方は違っていても、それぞれが言いたいことはつまり、

 

「周りに流されやすい性格だよね」

 

 っていう話です。

 

たしかにボクたちは面と向かって「イヤ、それは違う」と対立したり、周りの人間と違う事をやって目立ったり、和を乱すことに抵抗があります。

 

そういった感情が過剰に働いて、「イヤだけど毎日飲み会に付き合わされる」とか「同僚や上司が残っているから、仕事は終わっているけど残業する」という事もあるのでしょう。

 

しかしネガティブに取られやすい「周りに流されやすい」性格、それって本当に悪いことでしかないのでしょうか?

 

その辺をちょっと考えたので書いて行きます。

 

 

 

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べつに日本人に限った事ではない

 

そもそも「周りに流されやすい性格」というのは日本人に限らず、世界一の個人主義国家であるアメリカにも見られます。

 

むかしアメリカである実験が行われました。

 

『同じ長さの棒はどれか』

長さの違う棒を並べて被験者に「これは同じ長さか、それとも違う長さか」という問いを出した。

 

その問いを聞かされた10人の被験者のうち7人がサクラで「同じ長さである」と回答する。

 

残った3人の被験者は違うと思いながら7人に同調して「同じである」と答えてしまい、結果サクラがいない場合と比べて間違った答えを言う確率が高かった。

 

…というものです。

 

多数派が間違った事を言っていて、それを分かっていても「ひょっとしたら自分が間違っているのかもしれない」とか「ここで変なこといって場をこじらせたらいけない」という心理は日本人でなくとも、だれでも持っているのです。

 

これは人間がグループで生きるための本能

 

個体で生きていくタイプの動物なら、周りの雰囲気に流される性格というのは致命的で、おそらく早死にすると思います。

 

しかし、人間は他人の影響を受けて変化することを求められる生き物なので、周りに流されるということはむしろ健全な現象なのです。

 

よくビジネス書とかで「他人の言っていることにイチイチ気にせず、自分の思った事をやり通せ」とカッコいいことを言っています。

 

しかし、組織やコミュニティーとは何千万年も前から存在する「インターネット」なのです。

 

現代人はネットの情報を判断材料として利用します。

 

それと同じように先人の知恵、周りの情報、便利な道具の作り方などなど、自分の知らない事を知っている「巨大な脳」であるコミュニティーの意見に従うのは安全だと、人は数万年前から知っています。

 

実際にボクたちはどこかの組織に属することで様々な恩恵を得ています。

 

それを無意識に知っているボクたちは、おのずと多数派の意見は「自分より優れたヤツが下した正しい判断」と捉えることにほとんど違和感を覚えません。

 

したがって、「多数派の意見に従う」という行動は生きる知恵なのです。

 

意見が無い、考えてない人間なんて存在しない

 

流されやすい、意見が無い性格といわれつつ、実際はみんな大なり小なり考えています。

 

職場で上司や同僚に「キミはコレどう思う?」と聞かれて、「自分はこうだと思う」という意見は多少持っているけど、様々な理由で「あえて言わない」という人がほとんどだと思います。

 

「自分はコレが良いと思うけど上司はソレが嫌なことを知っている」

 

「皆と違うことを言って悪目立ちすると後々めんどくさそう」

 

「上手く伝えられる自身が無い」

 

という風に考えて最終的に「どっちでもいいですよ」とか「それでいいと思います」という風になるんだと思います。

 

また、聞かれたけどその議論の終着点が見えていて、なかば出来レースになっている事もあり、自分の意見を言う必要がないときもあると思います。

 

言ったあとの状況まで考えたからこそ、敢えて言わないようにしているんです。

 

それなのに、それが積み重なって周りの連中から「アイツ自分の事を話さないよな」とか「アイツ物事を考えてないじゃないか」など、ちょっと理不尽な事を言われることもあるのだと思います。

 

「オレがお前らに合わせてやってんのに」

 

…と、心の底で思いながら。

 

流されやすい性格を利用して自分を成長させればよい

 

周りに流されやすい性格は日本人に限らず、みんな持っているという事は先ほど話した通りです。

 

「でも日本人ってその性格が一段と強いんじゃない?」

 

科学的根拠はありませんが、百歩譲ってそうだとしましょう。

 

ならばそれを利用すればいいだけの話です。

 

日本は前後にメッチャ頑張って高度経済成長を経験して、狭い国土に関わらず世界で5本の指に入る経済大国に上り詰めました。

 

それは日本人が一致団結して、「今より良い生活がしたい」という感情に流されたからに他なりません。

 

これは見方を変えれば、どの民族よりも周りに流されやすい性格である日本人ならではの芸当ではないでしょうか。

 

すこし大げさに言いましたが、それでも会社の上司や友達に「キミって周りに流されやすいよね」と言われたら、それはつまり良い環境やコミュニティーに加わることができれば、大物になれる可能性もあるのだと考えればいいのです。

 

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