ベストセラーを生み出すコツ「書くことについて」

書くことについて (小学館文庫)

 

「書くことについて」

(著)スティーブン・キング
(出版)小学館文庫

 

モダン・ホラーの巨匠と呼ばれる作家スティーブン・キングが、彼の小説を生み出すコツや心構えを一冊の本にまとめたのが本書「書くことについて」です。

 

冒頭で言及しているとおり、彼は文章読本とはシンプルかつ簡潔につづられるものだと認識しており、実際に文中では彼の生い立ちに始まり、彼が心がけている習慣やテクニックを繰り返しアドバイスするという構造です。

 

 

村上春樹や森博詞も、小説家に寝るためにハウツー本を出版していますが、共通して勧めることはいっしょで、「たくさん本を読み、たくさん書く」という習慣に成功が左右されると語ります。

 

 

一般的に小説家志望の作家とは「自分の個性を守るため」あえて小説を読まないでいるというイメージがありました。

 

 

しかしよく考えみると、物事には決まったルールがあり、それを守ることで本人に限らず周りの人間との干渉をスムーズにする働きがあります。

 

 

小説にしても同様でしょう。段落の空け方、文法の正しい使い方など統一されたルールにより読者は落ち着いて本を読むことができます。

 

 

自分流でやってしまうと、それは自己満足になり読者が寄り付かなくなるというのは当然であり、誰かに読んでもらうために小説を書いている作家にとっては致命的です。

 

 

小説を読むことでそういった基本的なルールを学べるだけでなく、何千年も前から先人が編み出してきた小説技法を学ぶことができるという点においても、やはり本を読むという事は必要不可欠なのでしょう。

 

「くまモン」の生みの親でデザイナーの水野学氏も、イノベーションとは知識と知識の掛け合わせである、と言及しているとおりです。

 

 

じっさい、無から有を生み出せる天才はごく少数で、そしてそのアイデアを受け入れられるほど、ボクら一般人は賢くないのです。

 

 

けっきょく、先人からもらった知識を狂ったように取り込んで、それを狂ったようにマネしながら小説を書いて行くというが近道なのでしょう。

 

 

ところでスティーブン・キングは能動態と受動態について言及しています。

 

 

受動態で小説を書くと自信がなく不安にとりまかれている印象を与えるため、ほとんど能動態で文章を書くと言います。

 

 

興味深いことに、「アルジャーノンに花束を」を書いたダニエル・キイスも同様の見解で、「能動態にすることで文章に締まりがでる」と彼の自伝で語っています。

 

 

 

ボクら一般人基準で考えると「句読点がない」とか「てにおはがメチャクチャ」ということに違和感を感じるように、文章を生業としている人には一般人の何倍も高い感度の「文章の違和感を感知するレーダー」みたいなのが備わっているんだと思います。

 

 

そしてそれは感度を上げれば上げるほど有名作家とある程度共通した精度にまで仕上がり、結果として上質な文章を書くための道しるべになるのだと思います。

 

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