これを読まずにfateは語れない「ギリシャ神話物語」

フィクション

fateシリーズでかなりの勢力を誇っているのがギリシャ神話。

とくにfate/stay nightでは全7騎のザーヴァントのうち、およそ半分がギリシャ神話が由来です。そこでサーヴァントの身上話や戦う動機などの知っておくことはシリーズを見る時にさらなる面白さを提供してくれることでしょう。

そこで読んでおきたいのが楠見千鶴子氏の「ギリシャ神話物語」です。

およそ「神話」を私たちは小難しいという理由で敬遠しがちです。日本人だからといって古事記を積極的に読まないのに、ましてや他の国の神話を読むのかという話です。

しかし、この本は一般の読者でも読みやすいように編集されていて、神話の世界観を手軽に理解することができます。

最近は「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」や「fate」など、神話をもとに構成されているアニメもチラホラと登場してきました。元ネタを読むだけに、アニメのネタバレが発生するリスクも少しありますが、それ以上に有益な背景描写を知ることができると思います。

ギリシャ神話を読んでいて印象的だったのが、ゼウスの浮気率です。ゼウスはギリシャ神話における最高神でありますが(反乱を起こすまでは母であるガイアに付いていた)、最高神という立場を利用して、10回以上も正妻のヘラを差し置いて他の女神に浮気します。

恋路の邪魔をする神や人間を出し抜く為に、煙になったり牛になったり金の雨になったり。ルパン並みにしつこく、そしてかなりの成功率です。

そして夫の浮気に気づいたヘラは怒り狂って神通力を使って浮気相手を苦しめます。浮気相手も半ば強引に手籠めにされた、いわば被害者なので、泣きっ面に蜂と言うかただただ理不尽です。

しかし、これは神とは理不尽な存在であるということを暗に含んでいると捉えられなくもないです。

他にも印象的だったのが近親相姦とカニバリズムの多さです。親子間での交配や、殺した相手をその場で食ったり場面が1つや2つではないのです。

私は水滸伝や漢時代に活躍した則天武后の話が好きなのですが、その時代は平気で人が殺され、余裕で人肉を食べるものの、中国に勝る残酷性はヨーロッパにはないと勝手に思っていました。

しかし、ふたを開けてみると意外や意外、ヨーロッパも余裕で人を食べるし、親子間で交配もしてしまう。

某有名ビジネスマンが本で、「中国人の内に隠された残酷性やしたたかさを知らないと、中国に進出しても逆に食われる」と言っていましたが、いやヨーロッパも大概だよと言ってやりたいです。

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