ベテラン社員が会社を辞めるときに思った「あの時~しとけば良かった」

ノンフィクション
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「僕が18年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと」

(著)和田一郎

(出版)basilico

 

この本は著者が長年勤めた会社を退職したときに気づいた「あの時~していれば良かった」を12の項目に分けて書かれた本です。

 

本の内容は一部ブログで書かれたものが採用されていて、もともとはそのブログが注目を集めて本の出版という流れになったそうです。

 

小説家を目指していたというだけあって、文章が読みやすく、ユーモアも感じられます

 

実を言いますと、ボクは今の仕事を続けていくイメージがつかなく、いつ現職を止めようかと虎視眈々とタイミングを狙っているのですが、その一方で「いまの時期に辞めたら逃げているみたいじゃないのか?」とか「もう少しガンバったら、今の仕事も楽しくなるのではないのか?」という風に頭のどこかにあって、そんなことを考えているうちに、Amazonでこの本を見つけました。

 

著者の和田一郎は京都大学を卒業後、大手百貨店に就職して辞表を出すまで18年間勤務し、退職後は海外向けのアンティーク・リサイクル着物を販売する事業に乗り出しました。

 

彼も入社した当初は京都大学というブランドから来る矜持みたいなのが捨てきれなくて、どこか斜に構えて働いていた時期がありました。

 

そのせいで大きいプロジェクトを成功させても人事評価は思いのほか低く、同期や後輩が自分を追い越して出世していく様を見るのがつらく、退職を決めたようです。

 

文中で彼は会社生活をマラソンにたとえます。そして12個に分けられた彼の後悔は、多かれ少なかれ自分にあてはまる部分があり、途中から読むのが少しつらくなりました

 

そのなかでも印象に残ったのは、彼の後悔の一つ、「入社初日から社長を目指せばよかった」という部分です。

 

やる気のある者はスタートする前から勝負に出ている、入社式のスーツを脱ぐ、着る場面からからやる気のあるヤツは見極めていて、半端な覚悟で集中力が散漫なヤツはそんな空気になっている事すら気づかない。

 

ボクも入社前に会社から渡された課題の提出期限から遅れて提出してしまい、その時に著者と同じことを考えていました。

 

「あ、終わったなこりゃ」と思ったあの時の気持ちは忘れないでしょう。

 

会社生活とは一般の会社員にとって数か月のスパンではなく、10年、20年という長さで競うものなのだから、気づくのが早ければ早いほど良いというニュアンスを感じますが、まだ新卒で入社して15か月の時点で彼の言いたいことが何となく分かるということは「まだやり直せる範囲」なのでしょうか。

 

きっと客観的にみると「まだまだ間に合う範囲」という風に見えるのでしょうが、でも仕事ができないというのは「やる気が無い」という気持ちがどこかにあって、それが「仕事ができない」とか「覚えるのが遅い」といった形でにじみ出てくるのだと思うのです。

 

できないならできないなりに趣向を変えてその仕事に向き合い、なんらかの形で埋め合わせができるようにしなくてはならないのでしょうが、それでもやろうという気持ちになれないという事は、ボクもいよいよ身の振り方を真剣に考えた方がいいのかもしれません。

 

「辞めた後にどうするのか」という見通しもロクに持っていないことを考えると「辞める気力もないのか」と自己嫌悪に陥りがちな今日この頃です。

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