パワーメーターがサイクリストの重要アイテムとして用いられています。しかし、ロードバイク初心者が早い段階から使うべきなのでしょうか?ボクはそうでもないと思います。
なぜそう思うのか、ボクなりの理由をまとめます。
初心者は「ワット数が大きい=速い」と勘違いしがち
「平均パワーが大きくなれば自然とタイムもスピードも上がるっしょ」という勘違いがパワートレーニング初心者によく見受けられます。
たしかに、現在のパワーよりも大きい力でペダルを回せば、結果的に自転車のスピードは上がるのかもしれません。しかし、自転車の速さは全てパワーで決まる訳ではないのです。
もちろんパワーも大事ですが、自転車レースはいかに体力を温存して、勝負どころで全力を発揮できるかが順位を左右します。そのために様々な工夫をして少ない力で自転車を速く走らせるスキルを磨くことが必要なのです。ワット数を上げることに囚われて、もっと大事なことに時間を割くことができなくなれば最悪です。
それを踏まえた上でパワトレをするとして、ここでも気を付けたいのが「プロが公開しているワット数と同じ数値が出せるようになればいいんでしょ?」と思わないことです。そのワット数があなたに適しているとは限りません。
よく使われる指標にPWR(パワー・ウエイト・レイシオ)があります。これはサイクリストの体重1kgに対して使われるワット数を表しています。
たとえば体重50kgの人が300Wを出したらPWR6です。これを5~10分ほど維持できれば日本ではセミプロ級ですが、それは50kgの選手に当てはまるのであって、80kgの選手が300Wを出してもセミプロにはなれません。むしろ80kgのサイクリストにとって300WはPWR3.75となり、1時間は出し続けなければならない数値です。体重差が30kgもあれば必要なワット数は変わるため、一律に同じワット数を出せば良いという問題ではないのです。
こういった知識を持たないうちはパワーメーターを導入しても性能を発揮できないので、まずは書籍やネットで情報を集めてからパワープロフィールをもとにパワトレを始めた方が良いと思います。以下の本はボクの一押しです。
これからの時代パワータップは選ばない方が良い
10万円以下で買えるパワーメーターが登場しています。30万円くらいするのが当然だった時代と比べると、パワーメーター購入も現実味のある選択肢です。
でも敢えて言います。パワータップは我慢してパイオニア買いましょう。さっきも言いましたが、ロードバイク初心者はパワーよりも別のスキルを上げるべきで、ペダリングはその最たるものです。
パワータップはペダリングのバランスがモニターで確認できません。対してシマノやパイオニアなどの10万円クラスは、パワーがベクトル表示されるので効率的なペダリングが模索できます。
ただでさえロードバイクは高価なのに、そのうえ10万円する機材を買うのはキツいです。
まとめ
以上、ロードバイク初心者にパワーメータを早い段階でオススメしたくない理由です。
パワーメーターは自分の能力を数値化できるため、各々にあったトレーニング計画を編み出すことができます。しかし、間違えると「ワット至上主義」に陥り、補給の取り方、集団走行での位置取り、ペダリングフォームの模索といった要素が二の次になる恐れがあります。
また、購入するにしてもペダリングバランスが表示される機種が良いと思うので、実際に初心者が手に入れるにはハードルが高いです。
最初は経験者と一緒に走って、その人から色々と教えてもらう方が、パワーメーターと睨めっこするより実力が付き、なにより楽しいと思います。
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