「最強ホビーレーサー6人が教えるロードバイクトレーニング」
趣味にしろ仕事にしろ、自転車レースに出場する選手がみんな考えている事「どんなトレーニングをすればいいんだろう」
そんな疑問を日本の自転車業界で有名なホビーレーサー6人のトレーニング内容と思想を参考にして考えて行こうというのが、この本のコンセプトです。
社会人レーサーに焦点を当てたトレーニング本
プロ選手のトレーニング方法が紹介された本はたくさん出版されている一方、アマチュアのトレーニング内容を取り上げた本は少ないです。
しかし日本の自転車業界において需要があるのは、圧倒的に時間の無い社会人やアマチュアに目線を合わせたトレーニング方法です。
この本はそういったアマチュアで強い部類に入る選手6人を取り上げることでニッチながらも確実に需要がある分野に入り込んだ本です。
今まで人づてや選手の個人ブログを読み漁って探っていた手間が一気に省かれる画期的な本だとボクは思います。
アマチュア選手のLSDと高強度トレーニングの配分
この本を読んでみて最初に思うのはやはり「速い選手は細かい部分まで自分を理解して、考えて乗っている」という事です。
強いアマチュア選手は時間的制約を克服するため、どこまで行っても合理的に、冷酷なまでに効率的なトレーニングをしていると思っていましたが、自分の頑張れる境界線をしっかり把握して、その線を超えるギリギリ一歩手前を攻めている印象です。
昔より重要視されなくなったLSDトレーニングも、モチベーション維持のために積極的に取り入れてみたり、オフの時期はいっそ自転車に乗らなかったり、選手によってさまざまな工夫をしています。
こうした自分の限界を踏まえて活動する自己管理力、そして最優先のレースに向けた長期的な計画を立てる能力が、プロと同様の実力を持っていながら何年も自転車に続けていられる秘密なのかもしれません。
この本の強さの基準はツール・ド・沖縄
選手のプロフィールを確認してみると、この本に取り上げられた選手はツール・ド・沖縄の成績で選ばれているような気がします。
確かにツール・ド・沖縄は「アマチュア選手の甲子園」と呼ばれるほど有名なレースですが、ボクはこのタイプの本に紹介される選手がツール・ド・沖縄の成績だけで決められて良いものかと考えてしまいます。
日本のレースは80km前後の短距離ロードレースとクリテリウムレースが圧倒的多数を占めています。よって、短距離ロードレースとクリテリウムレースの分野で良い成績を収めている選手も同時に紹介されるべきだと思っているのです。
このタイプのレースで良い成績を収めている選手は短距離専門ため、長距離のレースでは勝てない可能性があり、結果的に実力があってもツール・ド・沖縄を基準にしてしまうと埋もれてしまう可能性があります。
次回も似たようなトレーニングを本を出す際は、是非この面も踏まえて出版してもらいたいものです。
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