仮想通貨の基本を知る「決定版、ビットコイン&ブロックチェーン」

ノンフィクション

決定版 ビットコイン&ブロックチェーン

 

これからの時代に欠かせない存在になるであろう貨幣システム「仮想通貨」

 

すでに様々な問題がニュースで取り上げられていますが、そのニュースを見て全貌を理解できる人は、はたしてどの程度いるでしょうか。

 

この本はそういった問題の根底にある仮想通貨の原理や仕組みを一から説明している「仮想通貨とは何ぞや本」です。

 

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・仮想通貨の本質は「分散型システム」であること

 

仮想通貨と聞くと株式取引やFXのような印象を一般の方は持っているかもしれませんが、もともとのコンセプトは「国家や特定の企業や団体に束縛されない通貨」です。

 

よって世界中で仮想通貨の取引情報を流す約1万1000個のノード(中継地みたいなもの)は自由参加型のボランティアで運営されています。

 

言い方を変えると、使い方によっては国の統合を阻害する因子になりえる側面も持っています。

 

そのため、中国は国内で仮想通貨の使用を制限する政策を取っているにもかかわらず、その経済的ポテンシャルを鑑みて国外に対しては積極的に仮想通貨ビジネスを展開しています。

 

その一つが「ブロック化」です。ブロック化とは仮想通貨の取り引き情報の改ざんを防ぐために、何千にもおよぶ取引情報をある形式に固めるプロセスです。

 

個人的にはWord形式をPDF形式に変改させるようなイメージを持っています。

 

そのプロセスが成功した場合は報酬として仮想通貨が与えられることから、作中では言及されていませんでしたが、この労力がビットコインに価値を付与する要素の一つになっていると考えています。

 

中国はこの分野に相当力を入れているらしく、とくに中国東北部や中国西域は豊富な電力と冷涼な気候に恵まれているために、現状この分野のトップを独占しているそうです。

 

・ハッシュ関数とは?

 

また、実際にブロック化させるために用いるハッシュ関数についての説明もありますが、ボクはこの部分は本書よりも、サイモン・シンの「暗号解読(下)」を読んだ方が分かりやすいと思います。

 

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ところで、冒頭でも少し触れましたが、仮想通貨はその性質上、国など特定のグループの干渉を受けにくいです。

 

もともと仮想通貨は現金などすでに価値あるものを変換して生まれた訳でなく、また仮想通貨のルールを決める黒幕がいない分散型システムだからです。

 

中国がこのシステムにより国民の意識が国から逸れるのを危惧するように、仮想通貨はグループに縛られない生き方を実現させる可能性を秘めています。

 

日本でも仮想通貨が発展すれば、既存の生活の手段を改めることができるのではないでしょうか。

 

ロボットが人間の仕事を全部やってくれるようになる前に、仮想通貨がボク達を働かなくても生かしてくれるツールとして機能してくれるかもしれません。

 

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