スポーツ遺伝子を検査して自分の才能を分析してみた

スポーツ

生まれついての才能ってヤツが自分にあるのか気になったので、遺伝子検査を受けてみました。以下は、遺伝子検査の簡単な説明、ボクの検査結果、その結果をもとに自転車ロードレースにどう生かせるか考察しました。

〈参考記事〉スポーツは努力と才能どっちが大事なのか?

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スポーツ遺伝子検査ってなに?

生まれついて持っている身体能力をDNAで調べることが、この検査のコンセプトです。

スポーツ遺伝子といっても、たとえばテニスに向いている遺伝子、スピードスケートに向いている遺伝子を探すわけでなく、スポーツに深く関わるであろう遺伝子のタイプや割合を確かめるのが正しい捉え方です。

ハンターハンターに出てくる水見式の念能力診断のようなものですね。

ハンター×ハンター念能力診断 ©POT(冨樫義博)

診断で自分が強化系なのか変化系なのか分かりますが、それをもとに念の使い方、スポーツの種目や戦術を決めるのは自分自身です。

どうやって受けるの?

ボクはハーセリーズ株式会社のエクササイズ遺伝子検査キットを購入しました。

値段は税抜7,000円。数年前まで検査をしようとしたら2万円くらい取られていたことを考えると、だいぶ安くなったと思います。

検査キットの中身

キットに付属している綿棒で口腔にこすって、それを研究所に送り10日くらいで結果が届きます。

検査結果が届いた

メールで検査結果が出たという通知が送られてきます。あらかじめ登録した専用のサイトにログインして詳細が確認できます。PDF形式でパソコンに残すこともできます。そして肝心のボクの検査結果、デデン!

なるほど分からん。一つ一つ見ていきましょう。

速筋と遅筋の比率

ATCN3遺伝子とは速筋の新陳代謝をコントロールする遺伝子のことで、つまりATCN3が多いと速筋が多いという事になるそうです。

それでボクはR/X型、速筋と遅筋がバランスよく並んでいるタイプです。

R/X型は万能タイプと表現されていますが、オリンピック選手を調べたところ、100走選手のR/Xの割合は5割マラソン選手は4割いたそうです。

ボクは大学時代トラックレースがマジで遅かったんだけどなんでだろう。あと5秒の平均最大パワーがどう頑張っても低いんだけど、これは練習してないからか?

ちなみに日本人のおよそ半分がR/X型だそうです。

血管の拡張と収縮

ACE遺伝子の項目で分かることは血管が拡張型か収縮型、または標準かどうかです。ボクの場合、I/Iの拡張型で持久系トレーニングと相性が良いという結果が出ました。すこし安心です。

一方、D/D型は持久系のトレーニングの成果が現れにくいらしいですが、そのぶん瞬発系に優れ、実際スレリングのオリンピック日本代表選手の遺伝子を調べてみると、D/D型を持つ選手の割合が高いという観察結果が出たそうです。

日本人のI/I型の割合は4割です。

ミトコンドリアの増殖スピード

PPARGC1A遺伝子の活性が高いと体内のミトコンドリアが早く増殖します

ミトコンドリアは筋肉内にあるエネルギー生産所として有名で、持久系トレーニングをすればコレが増えるということはアスリートの間でもよく知られています。

ボクはG/S型の標準タイプで、「普通に増える」ようです。

ただ、ミトコンドリアの増殖スピードが高いか低いかは試合ではあまり関係がないように思えます。持久系スポーツに向いているか否かの指標の一つにはなるでしょうが…。それよりも「これからは持久トレーニングに多く時間を割こう」とか「ミトコンドリアを増やすために食生活を改善しよう」など、練習計画や生活習慣の改善に大きく関わる項目かもしれません。

日本人のG/S型の割合はおよそ5割です。

検査結果が自転車ロードレースにどう影響するのか

以下はボクの遺伝子検査の結果とパワープロフィールです。

2018/11/10に作成したパワープロフィール

2018/11/10に作成したパワープロフィール

神経筋パワー

パワープロフィールによると5秒の平均最大パワーが835wと一番ヘボです。しかし遺伝子検査に照らし合わせると、5秒パワーが1000wを超えるのはR/R型の速筋タイプ、またはD/D型の血管収縮タイプであることが条件なのかもしれません。

とはいえ、ハロンもスプリントもタイミングとテクニックが大事という意見も根強いのであくまで予想です(ちなみにハロンのタイムは12秒8が最高)が、数年前に何かの拍子で940wが出て以来900に乗っていないので、今の時点で5秒のパワーにこだわるのは得策ではないでしょう。

無酸素運動容量

対して、最近1分のパワーに目覚ましい進歩が見られました。大学時代は450wあたりをウロウロしていたボクですが、競技に復帰してたった2か月で100w以上パワーを上げることに成功しました。

これは速筋と遅筋がバランスよく配列されたR/X型の力を借りたからか、それとも長年「自分はクライマーだ」と決めつけて、ひたすらヒルクライムしていた時に生産されたミトコンドリアがまだ残っていたのか定かではありません。しかし、遺伝子検査の結果とシーズンオフの計測でこの数値が出たということは、無酸素領域にまだ伸びる余地があるのかもしれません。

VO2Max

大学時代の体重57kgで5分350wが出ていた時と比べて10%低くなっています。当時はヒルクライムのためにVO2Maxと20分走インターバルを中心に練習していたので、まぁ妥当かなって感じです。

あのころのVO2Maxのパワーウエイトレシオには自信があったので当時を超えられるか微妙です。しかし速筋の割合が多いことが発覚して、無酸素領域の伸びしろを考えると、半年後の5月までに現役時代に戻すことぐらいはできるかもと睨んでいます。できれば超えたいね。

LTとその下の領域

来シーズンは、ヒルクライムレースや競技時間が3時間超のレースに出場することをほとんど考えていないので、エンデュランス走をする予定は今のところありません。

ボクがレースで負ける一番の原因は、最終週のアタック合戦で千切れるのから、つまりスピード変化に対応できる無酸素容量が少ないからだと考えています。基礎体力はあるのでテンポ走もいらないかなと思ったりしますが、さすがにゼロは不安なので必要最低限やろうと思います。

クリテ&短いロードレースに適性アリ。でもそれって…

総合的に考えてボクは本来、アップダウンの多いコースやスピード変化が激しいクリテリウムで本領を発揮するタイプなのかもしれません。

と言いつつ、もう感づいている方もいるかもしれません。ボクの遺伝子は3つとも日本人の5割が持っているものです。つまり、ボクは普通なのです。

レースの適性コースだってそうです。競技時間2時間前後のクリテやロードレースって、つまり日本のほとんどのレースですよね。ヨーロッパと比べて、日本国内にアマチュアレースで4時間以上のレースがどれくらいあるかって話です。

日本人のスポーツ遺伝子タイプは総じて中間タイプであることは、もう経験則でみんな知っているから、ヨーロッパみたいに長いロードレースにしないで比較的短いクリテと90km前後のロードレースを無意識的に好み、開催して走るのかもしれません。そうなるべくしてなっているのでしょう。

まとめ

以上、スポーツ遺伝子についての簡単な説明と、ボクの結果分析でした。

残念ながら、ボクは遺伝子的に他の皆さんと差別化を図れるようなタイプではなく、ちょっと持久系寄りの中間タイプだと分かりました。

しかし、自分の遺伝子タイプを知れば適性分野を簡単かつ効率的に調べることが出来るという事実は変わらないので、一度受けてみて、その結果をもとに自分が打ち込んでいるスポーツに落とし込むのも面白いと思います。

検査を受けてみようかなと考えた人はこちらからサイトに飛べます。

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